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宮本常一
相変わらず、メアリー・フラワーの寛(ひろ)くて暖かく深いアコースティック・ギターブルーズ聞きながら、宮本常一の「忘れられた日本人」を読んだ。小学校の教員をしながら、民俗学を志し、文献を読むことではなく(それも大事だが)、日本全国をくまなく歩きながら、その土地の人々から直接、伝承口承を聞きだし続けた民俗学の巨人だ。人々の、日本人の、膨大な記憶の海にどっぷりとつかりそれを取り出そうとした。土佐源氏という章では、四国の橋の下に住む元牛売り乞食の老人から、やんちゃな恋話、エロ話を聞き出す。陳腐な言い方だが、日本の過去、そこに生きていた、生活していた、生き抜いてきた人々の強さ、賢さ、を淡々とわれわれに示し、現代の価値観を危うさを知らせてくれる。でも、ネットでこの人のこと読んでて、一番よかったのが、この人の奥さんのアサ子さんという人が、宮本はねー、話が面白かったのよ、やさしかったのよー、とあっけらかんと言った、というのがよろしかった。宮本は、民俗学調査のためほとんど家に帰らず、調査には若い女が同行していたらしい。いや宮本さん、これは単なるネット文献調査で、直接の聞き書きでなく申し訳ありません。
三上さんの宮本エントリーもどうぞ。
by somuchfor | 2011-11-27 04:51 | ブンガク | Comments(0)
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