カテゴリ:ブンガク( 16 )
今日のいい言葉
昔から、たまにしかみ見ない、極東ブログ、というひねくれたおっさんブログで知ったのだが、吉本隆明が死んだあと、娘のハルノ宵子がゲラを直した最後の書籍「フランシス子へ」でのハルノノ宵子のあとがきが以下。気持ちいいいなあ。吉本隆明のファンであればあるだけなんかすがすがしい。おれはそれほどでもないんだけど。極東ブログさん、半年も前のエントリー、ぱくって申し訳ありませんせん。あっ、そでから全然関係ないけど、また宮本常一読んでます。このおっさんはすごかったんだなあと。いつか宮本をもう少し書こう。


本書のゲラを直したのは、長女のハルノ宵子さんのようだ。僕と同い年である。って会ったこともないけど。
 このハルノさんの「鍵のない玄関」という後書きがよい。

 吉本ファン諸君よ! 私はあなた方とはなんの関係もないのだ。
 私は訪れる方々に、これからも父の生前と変わらず対応していこうという気持ちと、父の蔵書も資料も原稿もろともすべて、ブルトーザーでぶっ潰して更地にしてやりたいという、"黒い誘惑”との間を振り子のように揺れている。
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by somuchfor | 2014-01-22 17:13 | ブンガク | Comments(0)
めんどーな夜
土曜は新宿行った。赤い革命と大正ロマン細腕ネーチャンの店、2軒。あ、あともう一軒。赤い革命は、おれより3つ4つ年上の常連のねーさん1人、おっさん2人。落ち着く店だ。ゆったりする。7時から1時間半ほど飲んで、大正ロマンにいったら、Sがいた。昔書いたこれをご参照。わがくされブログながらの名作だ。まあ、Sはめんどくさい野郎だ。卑屈とコンプレックスで人にからむ最低野郎である。しかしこの日はちょっと元気だった。隣にいた、おかまのでかいネーチャンのおっぱいをしきりにさわろうとしながら、よし、おまえらにはシャンパンが必要だといって買い出しにでる。シャンパンなんかいらないよ。持ち込みは迷惑だよっていう細腕ままの抗議も聞かず買ってきた。でも皆、シャンパンあればあるで、ちょっとうれしそうだ。Sはその皆のうれしさを受け止めきれなくて、おかまの気のいいねーちゃんのおっぱいにからみ、久しぶりに会ったおれをリーマンも年取った年取ったとこきおろす。シャンパンを皆が飲んじゃうとふっといなくなった。もともと、Sも細腕ネーチャンもおれも、このすぐ向かいにある、真っ暗けジャズバーの常連だった。めんどくさいヤローだけど、たまに会うと懐かしい。Sがいなくなって、体育会系のYが来た。こいつもそのジャズバー常連だった。ほとんど話しないけど。さっきSがいたよっていうと、今ジャズバーにいたけど、Sが来たんでこっちに来たんですという。めんどくさいから。そうか、じゃ、今日は、めんどくさいのを相手にしようと言って、おれは、2階の真っ暗けジャズバーに行く。ペトルチアーニが美しく鳴っていたが、Sはそれが気に食わず、コルトレーンをおやじにリクエストし、おやじはめんどくさそうだったが、かけてくれた。おれにしきりに抱きついてくるSがほんとにめんどくさかった。
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by somuchfor | 2013-07-16 01:31 | ブンガク | Comments(0)
宮本常一
相変わらず、メアリー・フラワーの寛(ひろ)くて暖かく深いアコースティック・ギターブルーズ聞きながら、宮本常一の「忘れられた日本人」を読んだ。小学校の教員をしながら、民俗学を志し、文献を読むことではなく(それも大事だが)、日本全国をくまなく歩きながら、その土地の人々から直接、伝承口承を聞きだし続けた民俗学の巨人だ。人々の、日本人の、膨大な記憶の海にどっぷりとつかりそれを取り出そうとした。土佐源氏という章では、四国の橋の下に住む元牛売り乞食の老人から、やんちゃな恋話、エロ話を聞き出す。陳腐な言い方だが、日本の過去、そこに生きていた、生活していた、生き抜いてきた人々の強さ、賢さ、を淡々とわれわれに示し、現代の価値観を危うさを知らせてくれる。でも、ネットでこの人のこと読んでて、一番よかったのが、この人の奥さんのアサ子さんという人が、宮本はねー、話が面白かったのよ、やさしかったのよー、とあっけらかんと言った、というのがよろしかった。宮本は、民俗学調査のためほとんど家に帰らず、調査には若い女が同行していたらしい。いや宮本さん、これは単なるネット文献調査で、直接の聞き書きでなく申し訳ありません。
三上さんの宮本エントリーもどうぞ。
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by somuchfor | 2011-11-27 04:51 | ブンガク | Comments(0)
思想と実生活
今ここにいたっても、あの天才的商売人のことを褒め称えるヒトばっかりなので、徹底的にクソミソにけなして、世の中のバランスを取りたい気持ち。どうAdobeのナラヤン? まあそれはさておいて、以下のように書かれたヒトは、さて、誰でしょう?

○本宅の外に芸者さんを囲い、なおかつ経理の秘書にも子供を生ませていた。しかるにその実態は、艶福家や英雄色を好むとは程遠かった。彼は、女の前では小心翼翼となり、自らの愛情の深さに汲々としていた。
○惚れた女に頭が上がらない男の愚かさや、不憫なわが子を思う父のストレートな真情が彼にはあった。出世の階段を駆け上がる彼には、こんな私生活の時間があった。昼間の彼は、語り次がれるほどのハードな数多くの仕事をこなしていたけれども、夜にはとんだ愛憎劇が展開されていた。
○迷いの道を歩んだ彼は、多忙な日々を縫って二つの別宅を訪れていた。その両方で、せわしない流儀で味の濃いすき焼きを作って食べ、子供にはプレゼントとしてめずらしい切手のシートを贈っていたという。二つの家で同じ手口を使っていた、なんてことまでバレてしまっては、人間道の大家も形無しである。とりあえず今頃、本宅の跡取りは怒り心頭であろう。
○思うに英雄が英雄足りえるのは、人生の華の時期のほんの一瞬に過ぎない。それまでの人生のほとんどは、修行やら試練やらで切歯扼腕の道が続くのであるが、人が覚えているのは、完成された後の英雄の姿である。その姿は伝道師たちの力によって守られ、神話には磨きがかかっていく。しかるに位人臣を極める前の彼は、借金に怯えたり、愛人をなだめたり、いろんなことで忙しかったのである。
○しみじみ英雄を作るのはメディアである。そして英雄の偶像を破壊するのもまた、メディアの仕事である。上げたり下げたり、とても忙しい。他方、どんな英雄も家族から見れば、疲れたオヤジであったり、気の利かない親父だったりする。身近にいる人には、本人の偉大さが見えない。世の中って、そんなものなのかねえ。

あなたのこと?

ここのDiary10月12日から写しました。
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by somuchfor | 2011-10-13 16:19 | ブンガク | Comments(0)
深川安楽亭
知り合いのじいさんからもらった山本周五郎を6冊読み終わって、まあまあ面白かったんで、もう一冊って、自分のカネで買ったのが深川安楽亭。12の短編集だが、表題作のこの安楽亭、60ページのこの中短編に刮目、瞠目した。こりゃー内藤陳もまっさおな、はーどぼいるどダド!だったのだ。お江戸の飲み屋、安楽亭。ここは、荷抜け、つまり密貿易の拠点でもあるこの場所には、ニンゲン、世間、仲間にも打ち解けようとしない孤独な無頼漢たちが、カネを求めてあつまってくる、たまり場だ。荷抜けの証拠をつかんで単身乗り込んできた岡っ引を、後ろからブスリとやっちまうような無法地帯でもある。そこに、恋人が吉原に売られる、その身請け金30両を店から盗み出そうとして袋叩きにされた若者が運び込まれると、オトコたちが、それまで、断ってきた、金にはなるがアブナイ荷抜けを引き受けるのだ。しかも、この文体が、エクリチュールって言うんですか?すべてをそぎ落とした冷血な散文にしびれに痺れて電気ナマズと一晩過ごしたようにわたしなっちまいました。すいません、うまい比喩が思いつかなくて。なんせ、クエンティン・タランティーノに、まず、映画化してもらいたい、とびっきりクールな時代小説だ。孤独で、飢えて、ひりひりしてる定七がいい。
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by somuchfor | 2010-12-18 04:09 | ブンガク | Comments(0)
今日の文学
ある勇者の、こんな自己との闘いがあった。日本を代表するクリエーターらしいのだが。
オレは...
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by somuchfor | 2010-04-16 11:22 | ブンガク | Comments(1)
ファラオの健
b0067590_054182.jpgかつおの一本釣りの名人としては2流どころかなっていう、黒潮にあたりすぎたような赤黒い顔したオトコがけれんみなくアルト(じゃなくて、テナーじゃん、ばかだねオレは)吹くのがファラオ・サンダース。そのファラオの吹く You've got to have Freedom は、どことなく、ノガミのケンだっけ、ドサ健だっけ、そうぼうや哲なんかのとっぽい兄ちゃんじゃなくて、もちろん出目徳でもなくて、その出目徳を死体にひんむいて、ドブのなかに叩き込んだ、あの「健」を思い出させる。本棚をあさると、麻雀放浪記全4巻、東京の舗装道路を掘り返すと確実にドス黒い焦土が出てくるぜって、おれ達を催眠術にかけたように、戦後すぐの焼け野原の上野のバタ屋部落のチンチロリンに連れてってくれた色川武大こと阿佐田哲也は、この放浪記ではまだ青春小説の書き手だった、これでも。そのぼうや哲は、五木寛之がやっと書いた伸介は南じゃなかった、江藤潤の信介しゃんよりんもずっと前に、完成された成長する少年で、青年小説ビルドゥングスロマンだったのだ。しかしこの「ドサ健ばくち地獄」は、もうロマンなんて持ちようがないノガミの健ことドサ健が、ベルレーヌを撃って詩を捨て、アフリカをさまようあくどい商人として生き抜くランボーそのままに、夢でもマボロシでもありえない、ただただ、しのぎにしのぐ、バクチ世界のクールな冷徹を逆説的に夢見させる、これがほんとのピカレスクであり大人の教養小説なのか。東京一レートが高い地下賭場のオンナ主人「殿下」、集まった客は、遊び人春木、バーテン滝、落語家花スケ、プロの打ち手利之介、そしてドサ健。麻雀、チンチロリン、手ホンビキ。バクチはやるより、読むほうが面白いって感得させる、この阿佐田哲也の力技の臨場感、とんでもなく地球の裏側に住むクセあり登場人物達のシビレル一言のあとの殺伐。傑作。Journy to the One
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by somuchfor | 2009-08-15 00:40 | ブンガク | Comments(0)
和歌子がんばれ
って、島崎じゃなくて、サカイだ。引越しだ。方子だ。どっかのガンで死んじゃったフォークあがりのロックもどきがタイマーズっていきがるばっかりで、警察にタイホされずに生き延びたかっこ良さよりも、こっちの方がよっぽどかっこ悪くてロックじゃないか。言うなりゃやれよ。おれはデキネーケド。ぴーぴーまんもすは全然興味ないけど、実際にクスリをやってしまう、その弱さ、その哀しさがにんげんだし、そこに親愛の情を覚えなくして、なんの真実がある。そういう、ほんとの感情をわからいないヒトにきよしろーものりこについても、語る四角は△...んではなくして、落ちるもんホルモン悶々。

ちょっと、ご本人に勝手な親しみを覚えて、かのご本人コトバにならい、somuchforぴー語にしてみたが、だめだこりゃ。むちゃくちゃ。学チャンもがんばってね。あっ、もちろんコータローも守るも。

いや、言いたいのは、正義づらかお涙ちょーだいか、その二つのツラだかヅラだかしかねえのかね?あんたらは?と言いたいのです。ヒトはもっと、いやあなたも、おれも、もっといろいろあるでしょっ!ものごとの感じかたがさ。もっとさけ飲め。
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by somuchfor | 2009-08-10 21:21 | ブンガク | Comments(0)
hattariEiga
20世紀少年のセンデンをテレビでやってる。このセンデン、見ただけで、この映画がはりぼてのなんの価値もないエイガだってことわかっちゃう。堤かんとく、おまえはほんとに生きてんのか?この世を?まあいいけど。built to spill でも聞きなよ。
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by somuchfor | 2009-01-30 00:47 | ブンガク | Comments(2)
また京都
昨日は、マレーシア、ペナンの華僑出身の米国人教授を京都連れていって、天ぷら食った後、10時半ころから一人木屋町へ。京都はやっぱり木屋町だ。崩れかけたスナック雑居木造長屋の廊下の奥に本の飲み屋とあるんで意を決して入ってみる。内田春菊から坂口安吾までのホンを雑然とならべた、ラジオ深夜便が静かにながれる茶店(さてん)風飲み屋を、若いねーちゃんが仕切ってる。春菊よりも、京都なら、やっぱり「ひさうちみちお」やろと思うが、今どうしてんだろ、理髪店主の悲しみ。学生っぽい兄ちゃんが一人ビール飲んでる。ターキーを2杯もらう。すぐに、森田剛みたいなわるそうな小さい兄ちゃんと、おぎやはぎのぼーっとした馬面の方に似た二人組も入ってきて、ネーチャンが今日は一見さんばっかしで緊張するわー、と。おぎやはぎ馬づらが、いや僕らは、ろくで、から。あそこでバイトです。赤シャツじいさんのジャズ喫茶。兄さんはなんで入ってきたん?と私に聞くので、いや、その、変な店やったから、つい、と要領を得ん返事してると、まあネクタイして入ってくる人も珍しいと。と、そこで急に一番最初にいた客が、僕は2回目で、一見ではありませんと、主張して、ごめんごめん知らんかった。いや単に忘れてたんだろうが、仕方なし。
で、それでもって本屋の飲み屋ねーちゃんに教わってきたのが、向かい近くにある高瀬川沿いの掘っ立て小屋の2階の、うーってとこ。入るとハウンド・ドッグ・テイラーがかっこいいー。ぶるーすろけんろー。ターキーを1杯。大阪のゴールデン街の、ミッテラ会館のレゲエ酒屋の話しする。マスターは兄ちゃんは、パンキーおやじ。喧嘩はもうやめた。いやするとしてもキリストかガンジーかの無抵抗無暴力主義だ。こないだもちんぴらがふっかけてくるんで、ぼこぼこになぐられながら、向かっていったら、最後には頼むからこっちに来んといてくれって言われたと。その目が怖いんやろなみんな、と客1号。ウソかホントかようわからんが、いい話だ(どこがかわからんが)。それから、Jハウスっていうロックバーに回ってエリック・バードン求めたらなかったので、ビッチをハーパー1杯で。
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by somuchfor | 2007-03-13 12:26 | ブンガク | Comments(0)