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二郎と七郎
トラバンケートに参加 【装丁の素敵な本】、ってことで、ここで美しい装丁の本が紹介されてたんで、オレの本棚漁って出てきたのが、白州正子の青山二郎本と深沢七郎の「極楽まくらおとし図」。古いケータイ写真でよく見えませんが。

二郎と七郎_b0067590_5203381.jpg正子ちゃんはまあ置いといて、二郎ちゃんは(飛びます飛びますじゃなくて)、明治34年生まれ、昭和54年没の骨董屋っちゅか、陶器の目利き屋っちゅうか。オレから見て、同時代人のちょっと見、同じような仕事したと見える人たちに、民芸の柳宗悦とか魯山人とか倉橋藤治郎とかいるが、青山二郎は、もっとテッテーテキに個人、個、を打ち出そうとしたひと。カレは、日本やら、中国やら朝鮮の古い陶器の美しさを新たに見出したが、別に単なる伝統回帰とかじゃなくて、それらすべて、大正昭和初期に生きる根無し草の都市生活者としての、オノレ青山二郎の強烈な自己投影だったんだと思う。
その傍若個人ぶりがとてもかっこ良かったのだ。
二郎さんのトモたちの小林秀雄や中原中也や河上徹太郎にもこれ
は言えることだけど。
二郎と七郎_b0067590_5211399.jpg
深沢七郎は、なんか、生きることの生々しさまがまがしさを、すらっと言うひと。ホラー小説じゃあないが。深沢七郎の、人間が一番語りたくない秘密を、白日の下に、非・劇的にさらけ出す、そのあっけらかんとした、根性。その覚悟。ヒトに、ジンセイに、人類には、なんら固有の価値は、全く無いという真実を、真実として語りえる才能。その淡々としたガッツに脱帽します。でも、生きる喜びはあるんだよ。言っとくけど。

昨日、蒲田の立ち飲みでサケ2杯、ゲソ揚げ、ナマコ酢、生牡蠣、¥1400で、帰ってすぐ寝て早起きしたら、こんなエントリー。
by somuchfor | 2005-11-15 06:24 | ブンガク | Comments(0)
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