ワールドカップはオレのものだ、と宣言しておいて、矛盾するようだが、2006年にリッピのイタリアが優勝したあたりから、ワールドカップおよびヨーロッパのフットボールにだんだん興味を失うようになってしまった。いつもいつもの思い出話で恐縮だけど、私のワールドカップの原点は、78年の紙ふぶきの舞い散るリバープレートでケンペスが、オランダ相手に決めた決勝だ。アルゼンチン国家高揚を狙う軍事政権の審判への圧力の結果のホームディシジョンも噂されたが、あの熱いアルゼンチンのこころがうぶな高校3年生をガツンと殴ったのだ。もひとつ、82年のスペイン大会で、西ドイツとフランスが準決勝で死闘、延長戦も勝負決まらず、PK戦にもつれこみ、西ドイツのいかつい大男のディフェンダー、シュティーリケがPKをはずした(結局西ドイツが勝ったのだが)。この時、シュティーリケは、皆のいるところに戻らず、ピッチの脇で体育座りになってしくしく泣いてしまう。プロ中のプロ達のこんな熱い真剣勝負に惚れちゃったのよ。だけどこの大会は、その一方で、1次リーグのフランス、クェート戦では、ジレス(フランス4銃士の一人)の決めた得点をクェート側が認めず、観戦中のクェートの王子がピッチに乱入し審判と交渉し、ジレスのゴールをなかったことにしちゃってる椿事も起こってる(私は10年くらいして知ったんだけど)。いや、何が言いたいかというと、昔チリのゴールキーパが血のりを隠し持って、試合中に、相手に殴られて出血した、と審判をだまして、相手選手を退場させちゃったこともあったけど(これは本大会ではないけど)、まあ、すんごい乱暴で、おおざっぱで、でももちろん勝負に恐ろしく真剣で直情で、それがオレには幸せなフットボールの時代だった。前にも書いたけど、日本は韓国、北朝鮮、タイ、そしてマレーシアなんかにもぜんぜん勝てない、これはこれで、オレには幸せな時代(その時代のではマシなひと、木村和志、マリノス監督なんかできるのかな、心配)。だって、日本の監督ごときでぶーぶー言うやつなんて一人もいなかったよ(横山謙三は革新的過ぎてぶーぶー言われてたな)。今だって、日本の監督ごときなんだけど。で、だ、そんなランボーだけど幸せで魅力的な時代が変わっていく、その変遷を象徴するのが、例えばサッキ(94年アメリカ大会)やリッピ(98-2000年インテル時代)という監督とバッジオなんかのファンタジスタとの確執なんじゃないか。フットボールの一つ一つのゲームがビジネスとして意識され、得点とその結果の勝利が、ある会社の業績であり株主資本利益率である、みたいになっていくとき、バッジオみたいなファンタジスタは不要だ。サッキとバッジオ、リッピとバッジオは、極めて勝利獲得に有能なCEOと、そのCEOのマネージメントを軽々と越えて不要のものにしてしまう、バッジオのファンタジーとの戦いだった。で、ワールドカップより強いチャンピオンズリーグを制する男、現代のフットボールCEO、モウリーニョはどうだろう。
えーっと、話が終わんないので、仕事に戻ります。書けるんだろかこの話?まあいいや。
by somuchfor
| 2010-07-20 17:06
| FootBall
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